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伝説のプロデューサー 

 

「発想を変えれば、結果は変わる」プロデューサー発想の人物事例研究です。

(注)テーマとなっている人物についての捉え方、言動に解釈やまとめについては、筆者 古谷彰男の独自視点と感想にもとづいています。

スタジオ・ジブリ プロデューサー鈴木敏夫


プロフィール

 

 

プロデューサー 鈴木敏夫とは

 

 鈴木敏夫氏は、アニメ製作業界ではプロデューサーとして著名である。

 

 スタジオジブリで主に宣伝販売の領域を担う。

 

 徳間書店で編集長として雑誌「アニメージュ」創刊。取材対象であった宮崎駿と出会いスタジオジブリに。

 

 雑誌編集からアニメ制作に転身し現場での実践からの叩き上げでジブリ作品を世界に発信してきた。製作と監督を担う宮崎駿、高畑勲が手がけない分野のすべてを担っている。

by カエレバ

ラジオ番組 鈴木敏夫のジブリ汗まみれ

鈴木敏夫のジブリ汗まみれ - TOKYO FM 80.0 - 鈴木敏夫

 

 通常プロデューサーは、裏方であり表舞台でその手の内を話す機会はは少ない。長年に渡って続いているこのラジオ番組のアーカイブはPODCASTで配信されている。

by カエレバ
by カエレバ

早稲田大学講演「プロデューサー特論」の考察

早稲田大学講演「プロデューサー特論」から編集された

2013514日配信 東京エフエム 「ジブリ汗まみれ」PODCASTの番組を聞いて、その一部を引用し解釈をまとめた。

 

安藤教授

プロデューサー 鈴木敏夫 氏

ドワンゴ代表取締役会長 川上量生 氏

 

 ジブリのアニメ上映は、国民的に知られ世の中全体に知れ渡る。しかも、老若男女、幅広い世代に対して話題となる。

 

 この宣伝、つまり、認知の仕掛けづくりをするのが、プロデューサーの仕事であり、鈴木敏夫氏の真骨頂である。

 

 これまで、本人自らが自分のやり方について解説することはほとんどなかったが、大学生向けの講演で、ドワンゴ会長川上氏が、

「プロデューサー見習い」としてジブリに潜入してみてきた経験から解説をしている。

 

川上氏が体験した宣伝における鈴木敏夫のやり方の印象はこうである。

 

*** 川上氏 引用はじまり ***

 

「ジブリっていうと、宣伝がうまいっていうイメージ。結果として、いろんな人に届いている。ニコニコ動画 会員800万人。ジブリ映画 日本国民の5分の1どんなマーケティングをしているんだろう。」

 

「物量宣伝ではない。自然発生的。到達範囲が広い。
鈴木さん以外の人は、みんなどういうことか分かってない」


「対象ユーザーに、どういうものを届けるといいんだろうかを、考えるじゃないですか。」

 

「ココリコ坂 対象ユーザー : 全年齢、男性女性、国民すべて

マーケティング戦略でも何でもないよね。」

 

単なる願望、ひどいんですよ。すごい衝撃を受けたんですけど、この資料に一体なんの意味があるんだろう。

みんな疑問を持ちながら宣伝している。関わってる人は。」

 

*** 川上氏 引用終わり ***

 

 

 ジブリの宣伝は、おそらく、鈴木敏夫氏が自分で考えて、現場に落とすスタイルが軸になっているのだろう。
 みんなで考える、相談するプロセスももちろんあるだろうが、企画の本質はそこにはない(この意味が、わからない人は経験者に聞いてほしい。参考「イノベーションノート」の「企画会議」の頁)。

 

 もちろん、それを実行するスタッフは的確に行動し実現するのだろう。行動に移すだけの「納得性」が得られれば、プロデューサー組織は動くことができる。
 鈴木氏の場合は、「実績と経験」をチームが認めている、認めざるをえないという状況がある。

 

 

 

 プロデューサー組織を一般ビジネスの世界で理解する

 

 みんなが、よくわかっていないけれど、言うとおりに進めたら、なんかうまく行ったという感覚を共有するチーム。これが、「プロデューサー組織」の特徴である。

 (古伝的な経営学の世界では、組織論でこの「プロデューサー組織」の存在は認知されていない。)

 

 一方で、一般ビジネス社会で推進してきた分業により組織的に動く管理型組織と同じものではない。

 

 ここでは、十分な理解を得られる説明は行わないが、「プロデュサー組織」は過去、現在、未来において経営のとても重要なポイントである。

 

 実行組織における「主観的かつ感覚的なディレクション」「一個人の理解および世界観を実現すること」「ファンの心の側面に響く価値づくり」など、製作当事者である関係者でも全体は理解できない。

 しかし、それぞれのスタッフがスペシャリストとして任務遂行する組織。それを統合するプロデューサーの立ち位置についての理解が必要である。

 引用の中にあるような「不思議な感覚」を生み出していると私は理解する。

 

 例えば、映画製作の世界では、主人公の俳優が「映画作品が完成して、編集された作品をみて、やっとこの映画が理解できた」とう場合は少なくない。監督しか理解できていない状態でも、良しとする世界である。

 実は、一般的なビジネスの世界、工業製品や日常サービスの世界においても、本質的には同じ感覚が存在する。マニュアル化や効率化で、曖昧で管理しづらい世界を排除し続けてきたことで、見えなくなっている人も多いかもしれないが、本来ビジネスは曖昧模糊としたものなのである。

 

 

 

 

早稲田大学講演「プロデューサー特論」から編集された

2013514日配信 東京エフエム 「ジブリ汗まみれ」PODCASTの番組を聞いて、その一部を引用し解釈をまとめた。

 

安藤教授

プロデューサー 鈴木敏夫 氏

ドワンゴ代表取締役会長 川上量生 氏 

 

 予算を立て計画通りに管理するという一般的なビジネス発想は、ジブリの作品製作に於いては仕事の本質ではない。

 

 

 費用がいくら掛かるかから始まり、それをどうやって回収するかを考えるビジネスの予算の仕組み。

 

 普通のビジネス発想を「冷めた人びとのビジネス管理の発想」だとすれば、プロデューサーにおいては「熱い人びとのビジネス発想」でなければならない。

 

 まず、何をつくりたいか(主観、個人的に)からはじめる。もちろん、今の現実の中から最大限の条件を活用して最高のものをつくるという発想が前提である。

 

 一般的なビジネスの発想からこの感覚は、事業と経済発展の成熟化ととともに失われてきた。(私は管理社会と管理組織による個人のモチベーションの消滅がその原因だと考えている)

 

 

 

*** 引用はじまり ***

 

川上

 

「普通の人って、仕事とプライベートってわけるじゃないですか。で、「鈴木さんは、公私混同っていうのがポリシーな人なんですけど。もう仕事も人生も一緒っていう。」

 

「だから、何をつくるかっていうのも、仕事として儲かるのに一番いいのが何かっていうんじゃなくって。

なんか、要するに。自分の人生、ジブリの今置かれている立場で何をつくるべきかっていう考え方なんですよね。
それで、それに合わせて、これぐらいお金かかるから、これぐらい儲けようみたいなね。」

 

「発想が逆なんですよ。これは本当普通のビジネスではありえない話ですね。」


鈴木

 

「けどね、それって、なんていうんだろう。昔の人がね。みんなそうやってませんかね。」

川上

 

「だから、そうなんですよね。鈴木さんはそう言うんですよね。」


「別の映画事業やっている人にとにかく映画事業再建しなきゃいけない、と。うちの映画は何がいけないっていったら、5億円かかったら5億円回収するビジネスモデルを立てる、と。」

 

「順序が逆だろうと。企画があって、2億円しか収入が得られないんだったら、1億円で映画を作らなきゃいけないんだ、っていう。そうやって、この映画事業を再建するんだっていうことを言ってる人がいて。」

鈴木


「そりゃ失敗しますよ。」

 

 

*** 引用終わり ***

 

 

 ビジネスライクな映画再生事業の予算管理と鈴木氏の発想の違いには、根本的に「目的」が異なっている。

 

(ここでいう、目的とは、ブルース・リーのエピソードを参考にしてほしい。)

 

「新しい作品で世の中に価値あるものを生み出したい」という情熱をもつプロデューサーはプロジェクトの成功を自分の人生の目的と一致させているひとでなければならない。

 

 プロデューサーは公私混同の個人の熱意でやっている。

 もしそうでなければ、魂の向けた偽物だと思う。
何としても作りたい。プロデューサーはそれを「何とかする」人。

 まず「価値創造」することが最初にあって、それをどうやって実現するのかを考える。

 

 赤字にならないようにすることに心を奪われている管理者。

 

 管理者や責任者という役割が、もはや消極的な意味にしか、聞こえない。 

 

 

 管理者は、仕事だからやっている。予算なりのものを「きちん」とつくり、費用回収できればいいという考え方に陥りやすい。この場合、作品づくりは「管理」するものというスタンスになる。

  

 失敗しなければ、自分の責任は果たしたことになるいう甘えた発想である。

 誰に対して甘えているのか? こういうロジックが通用するひとは、「ファン」の存在を忘れていいるか、無視している。

 

 

 

 

早稲田大学講演「プロデューサー特論」から編集された

2013514日配信 東京エフエム 「ジブリ汗まみれ」PODCASTの番組を聞いて、その一部を引用し解釈をまとめた。

 

安藤教授

プロデューサー 鈴木敏夫 氏

ドワンゴ代表取締役会長 川上量生 氏 

 

「ファンを楽しませる熱い人びとのビジネス発想」について、語っている。

 

 川上氏は、現在の常識的なビジネスのやり方とジブリのビジネス発想の違いを、着メロ、そしてニコニコ動画というコンテンツ業界の経験からみた実感を説明している。

 

 ここでいうコンテンツとは、デジタルでネットワーク配信されているものという狭義の意味だと思うが、映画作品も広義の意味ではコンテンツである。

 

 

*** 引用はじまり **

 

川上


たぶん、鈴木さんみたいな人は絶滅したわけですよね。生き残りなんですよ。

「社会全体としたら、やっぱりビジネスとして考える人のほうが生き残ってるんだと思うんですよね。産業全体がそうで。コンテンツよりになってるひとはまだ生き残っている。普通の家電業界っていうのは、だいぶ消えてると思うんですよ。」


 「だから、コンテンツよりの部分で、例えばゲーム業界とか音楽業界とかね。やっぱり、そういうめちゃめちゃな人が、やっぱり残ってますよね。なんか、当たるからこの人が言うわがままを誰も止められない、とか。理不尽なことを言ってるけど、当たってるからまあいいか、みたいな。」


「そういう、コンテンツ業界の特殊な部分っていうのが、一番色濃くこのアニメの世界に、残ってるのがこのジブリかなっていう。」

鈴木


「ものを作るっていうのは、色いろあるんですけど。基本的には僕はこう考えているんですよ。衣食住っているのは人間が生きていく上で一番大事なことで、それで、それに伴う職業っているのは、生産的な職業だと思ってるんですよ。

 

「それで付加価値の部分で、色んなものがあるわけですよね。」

 

「さっきの映画ふくめ、テレビも含めなんだけれど、漫画、小説その他も全部そうですよね。そうすると、それは僕はどっかでね。非生産的なものでね。バランスがいい時に世の中がいい状態じゃないかとどっかで思っているわけですよ。」

 

*** 引用終わり ***

 

 

 問題は、コンテンツ産業の特質をもっていたはずの映画産業が、工場で部品や機械をつくるだけのような感覚のビジネスになっていったことにある。(もちろん、工場のモノづくりは本来「熱い世界」である)

 

 広義のコンテンツ産業である映画産業が、なぜ、そうなったのか。

 

 一つの重大な原因は、企業の経営層が企業経営と管理の領域の人びとの発想によって支配されてしまったからではないだろうか。

 「冷めた人びとのビジネス発想」では「ファンを楽しませる」ことはできない。

 

 

 ジブリは、アニメ産業のなかでも、ユニークな存在とみられている。「昔はそうであった映画産業」の歴史も忘れられつつある。

 

 ジブリは、30数年たった今も、作家の宮崎駿とプロデューサーの鈴木敏夫が仕切っている企業なのである。(会社を経営するだけの社長はいない。過去にはあったが、現在は違う。)

早稲田大学講演「プロデューサー特論」から編集された

2013514日配信 東京エフエム 「ジブリ汗まみれ」PODCASTの番組を聞いて、その一部を引用し解釈をまとめた。

 

安藤教授

プロデューサー 鈴木敏夫 氏

ドワンゴ代表取締役会長 川上量生 氏 

 

 

 川上氏は、鈴木氏の視点と一般人の視点、つまり、プロデューサーと消費者の視点の違いを説明する。

 

 プロデューサーは「本質」まで掘り下げて、人間観察しているということだと思う。

 

 

*** 引用はじまり **

 

川上

 

やっぱり、すごい本質的なところを鈴木さんはいつも考えているなと思うんですよね。

 

実際、人間がどういうふうに感じて行動するのかって、いうのは鈴木さんはそういうのを、想像してシミュレーションする能力がとても、高いんだと思うんですよ。」

 

 「それが、普通の人の場合はそうじゃなくって、本当にその人がそう思うかどうかじゃなくって、みんなはこういうふうに思っているだろう、っていう想像から入るんですよね。共感から入るんですよ。」

 

鈴木さんは本当に人間がどう思うかっていうのを考える。」

 

だから、色んな広告代理店のすごく優秀な人がセンスのいいキャッチコピーとかを考えてくるわけですよ。僕もこれは明らかに素晴らしいと思うんですけど。それを鈴木さんが否定して、なんかださいキャッチコピーとかをつけるんですよ。」

 

 「これは、世間一般の概念からすると、これは間違っているっていう。でも、それは何を思っているかっていったら、「実際に目にした時に、どう思うか」なんですよ。」

 

 「得てして、プロっていうものは、プロとしてこのキャッチコピーをどう思うかっていうふうに、考えちゃう。
それが大きな違いだと思いますよ。」

 

 

*** 引用終わり ***

 

 

 普通の人は「みんなはそう思うだろうという想像から入る」という、プロデューサーは「本当にその人がどう感じるか」というレベルまでシュミレーションしている。

 

 つまり、「その人」とはその人物ひとりが「実際」どうなのかということまで意識しているということである。

 では、具体的にどう違うのか。この感覚の違いを理解することはとても大事なことである。

 

 (参考「イノベーションノート」の「ペルソナ」「観察的想像」

 

 それは、別の機会に触れたいと思う。

 

 

 

 

 

ヒストリー

by カエレバ
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